留学生Kenkenのモンゴル通信

モンゴル困窮児童の生活・進学を支援するバイラルラ会現地派遣員で留学生のkenkenがモンゴルの今を熱くリポートします!
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モンゴル通信第69信

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    びっくり今回はモンゴルにとって、また世界にとって重要な鉱業関係の出来事に触れます。

     アリマーのアパートが内装工事に入ったので、新築アパートの7階にある孫娘のワンルームに移りました。築後1ヶ月強ですが、まだエレベーターが動きません (稼動を許可するたくさんのお役人のサインがなかなか取れないからとの事)。しかし7階から見るウランバートルの景色はなかなかのもので、ハンオール山や 街を囲む山々が雪をかぶって、白と山肌の茶色が鮮烈なコントラストをみせています。上り下りの労苦もこれで帳消し。飛ぶ鳥の背中を見る生活です。

    1、この機会に最近までブームだった新築アパートの内容をチェックしてみました。この10階建てのアパートは、娘の会社のオーナーが建てたもので、レンガが多く使われていてそこらのマンションより余程躯体がしっかりした感じですが、建築工事は中国人労働者とモンゴル人の共同作業。エレベーターが1ヶ月たっても動かないのはともかくとして、気がついた内容は次の通りです。すでに階段の手すりのペンキがはげた、階段の端が欠け始めた(どうも薄いスレート板を貼っているらしい、皆が重い引越荷物を抱えてエッチラオッチラ上ったから)、部屋の天井の漆喰が一部はがれ出した、シャワー(風呂はない)のノズルが壊れた、すべての蛇口で熱湯(赤)と水(青)が逆に接続されていた、入口の扉に付属した鍵ロックを受ける枠側の穴が見当はずれのところにあった(別々のものをくっ付けたらしい、ドア自体では完全ロックできるようになっていた)等など。しかし問題なのはサニタリールームで、便器、シャワー、洗面台を結ぶ排水管がそのまま床上にセットされており、それらからの汚水は差込んだ塩ビパイプからこの管に流入するので、当然差込口から汚臭が漂い出ること、配管ボックスから壁の中を覗いたところ外部から部屋に給水する管が中古で、壁のレンガの積み方が出鱈目だったこと等です。財閥が建てたアパートがこの調子ですから、後は推してしるべしでしょう(以前報告したように、入居して暫くしたらアパートが崩れ落ちたケースがある)。しかしこれはあくまで日本人の見方であり、モンゴル人はさして気にしていません。精一杯頑張って10 階建てのアパートを作り、精一杯背伸びをして皆そこに入居しているわけで、この不完全さを積み残しででも背伸びをしていくところに発展途上国のバイタリティーがあるような気がします。法律も、教育も、街も、バスも、鉄道も、航空も早く先進国並みになりたい! この姿はかっての日本人の姿であり、希望を追い求めていくものだけが持つ強さでしょう。

    2、こ の通信で何度も報告してきたカナダの鉱山会社アイバンホー(世界的大鉱業企業リオ・ティントの子会社)とモンゴル政府の開発投資契約が10月6日に調印されました。モンゴルの将来は虎の子である豊富な鉱物資源の開発にかかっていますが、その際、技術、資金力に劣るモンゴルがその開発を外国企業に任せて生じる国富の流出を如何に小さくするかが問題となります。2001年にゴビのオユ・トルゴイで豊富な埋蔵量を持つ金・銅の鉱床(45,1百万オンスの金、78.8百万ポンドの銅)が発見され、モンゴルは埋蔵資源の価値に気づきました。それまでの経済混乱期に作成された1997年鉱物資源法が2003年に改正され、戦略的重要鉱山についてはモンゴル政府が34-50% の株式保有を行うことが規定されるとともに、超過利潤税法(式には「特定産品の価格高騰に対する課税法」)が導入されて、金と銅の市場価格が一定水準を超えた場合、その部分につき、68%を課税するいわゆる「ウインドフォール法」という法律も作られました。参考までにそれまでの鉱物資源法はひどいもの で(たぶんIMFや世銀が混乱にまぎれて先進国に有利な法律をモンゴルに呑ませた)、金は国外に売られて政府の収入は少なく、軍曹が知る外国企業は地方で雇った牧民の子弟を学費会社もちで首都に留学させ、それでも儲かっていました。

     ここから国益と開発能力をめぐって、国の財産を守れと叫ぶ民族主義者のデモやストライキが多発し、外国資本や技術は絶対に必要と主張する当時の大統領と政府、絶好の儲けの機会を逃してたまるかとあせる外国企業およびその後ろにいる政府の三つ巴の争いが3年間続きました。しかしこの7月の国家大会議の採決を経てようやく改正鉱物資源法の下で、ウインドフォール法の廃止(2011年)、開発に携わってきたアイバンホーとの開発投資契約の締結が決まったわけです。その契約の主な内容は株式の34%以上を政府が持つこと、225万ドル以上をアイバンホーが先行投資すことなどです。これに応じてリオ・ティント社はアイバンホーへの出資比率を近日中に現在の9.9%から19.7%に高めると公表しています。

    3、長期間にわたってモンゴル全土を激論の渦に巻き込んだ懸案の決着は。おそらくモンゴル人に希望と将来的な国の発展に対する確信を与え、単なる経済統計の数値が示す以上の活力をこの国にもたらすでしょう。また外国の資本家や投資家にとっても、このオユ・トルゴイの先例は待ちに待ったモンゴル資源の獲得に道を開くことになったはずで、20世紀後半の石油大国に代わる21世紀の資源大国の出現を約束するかもしれません。すでにその気運は市民の言動の中に現れていますが、一方で知識人の一部は、国づくりの哲学と長期的展望を欠く単一資源依存型の経済運営がこの国に真の長期発展を保証するのか、との疑問を表明しています。確かにモンゴル人にとっては今が、午後よりは午前が大切であり、今の日本人が大好きな人生設計や長期展望の意識はまるで無いように見えます。しかしですよ、軍曹が社会人駆け出しの頃の日本では、ドイツ人は考えてから走り出す、アメリカ人は考えると同時に走り出す、日本人は走り出してから考える、とのジョークがありました。その日本がここまで来たのなら、我々の祖先民族もそこまでくるのは当然のことといえるでしょう。

    4、NHKが地球温暖化の影響によりモンゴルの草原に異変が起こっていると報じたので、数名の方から問い合わせがありました、当方は専門家ではないので市民の一般的な意識しかお伝えできません。モンゴルは北の湖沼・森林地帯、中央の草原地帯、南の砂漠地帯、西の山岳地帯に大別され、そのうち北の部分はシベリアに続いているので凍土が横たわり、近年それが溶け出して森林が破壊されているとのことです(トナカイを飼う少数民族が困っている)。中央部についてはそのような話題はありませんが、軍曹はウランバートルの地下は凍土だという記事を日本で読んだことがあります。NHKが草原の変化と言うなら、たぶん草原地帯の北端ではないかと思います。しかし気候変動との関係で今後追いかけてみたいと思います。

     モンゴルでも新型インフルエンザが5人確認されて、街でマスクが増えています。 ではまた   軍曹


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    あと『軍曹』とは猪突猛進型の性格のためいつからか呼ばれるようになったKenkenのあだ名ですのでびっくりしないでね!実際はジェントルマン(紳士)ですから(笑〜)


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    morinhoor | 2009/11/01 7:32 PM
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